まったりのんべんだらり


by ayafuji_rie
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傷口

シュパッと鋭い音を立てて、封筒の縁が私の指を切り裂いた。

覗き込むと、白っぽい中身が見えた。

間もなくジワジワと血が滲み出てすべてを覆い隠した。

庇うように左手を傷口に添えた。
左手の重みに触覚と言う機能を思い出した人差し指はドクドクと痛んだ。



切り裂けば、自分の中身が垣間見える。

切り裂けば血が出る。
そして血で覆われる。
そしてすべてがまた私の目の前から隠される。

血を流さなければ、痛みを伴わなければ、私と言うモノは見えてこないのだろうか。
そんなことを思いながらドクドクと流れる血を押さえようと、セロハンテープを指に巻く。

回りから非難の声が上がる。

なぜバンドエイドではないのかと。

私は笑顔で言った。
血が止まれば、それでいい。

どこに有るか分からないバンドエイドを探すより、近場のセロテープで止血してもかまわないでしょ。

そんなアバウトさが嫌われる原因なんだなと実感。



「きもちわるい〜い」
だってさ。
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by ayafuji_rie | 2004-11-18 00:16 | 遠い足音